先輩社員の声

鳥山牧場

青木 渚 鳥山牧場
2017年入社
繁殖部門 家畜人工授精師 2019年家畜人工授精師資格取得

母牛に寄り添いながら、新しい命の誕生に寄り添う。

とにかく牛が好きで、高校時代には牧場で働く夢を持っていました。牛の生産には、繁殖、哺乳、育成、肥育、牛舎管理などいくつもの業務がありますが、兼務ではなく集中して人工授精の仕事に取り組みたいと考えていた時に、当社に巡り合い就職を希望しました。 現在、鳥山牧場の繁殖母牛は約400頭。受精師2名の体制で管理しています。牛の妊娠期間は約10ヵ月といわれ、人工授精と妊娠した牛の栄養管理や環境整備、出産の立ち合いが主な仕事になります。 いつも心がけていることは、牛たちがストレスなく快適に過ごせる環境づくりです。牛は見かけとは異なり、臆病で神経質な動物です。ストレスは食欲や発情を低下させたり、受胎率を下げる原因につながります。言葉でコミュニケーションできないぶん、牛の表情やしぐさを細かく観察しながら、牛舎の清掃や整備、エサの管理を行っています。 一番のやりがいは、受胎率が上がったときです。受胎率の高さは牧場経営の安定化に不可欠な指標であり、繁殖成績の良さを示します。数字として人工授精師の技術を評価されると、モチベーションもさらに上がります。私たちの仕事は、牛の命にかかわる仕事です。1つの判断ミスが、最悪の場合、牛を死なせる可能性にもつながります。誕生するまでは常に気を抜けませんが、約10ヵ月もの長い妊娠期間を経て、仔牛の誕生を迎える出産は、何度立ち会っても深く感動します。 当社の牧場のスタッフは15人。そのうち4人が女性です。平均年齢も若く世代が近い人が多い、そしてみんな牛好きという大きな共通項があり、和気あいあいとした雰囲気です。牧場内の牛に関する情報は、誕生から出荷まで、すべて記録や数値化され、常に共有できる仕組みになっているので、所属部門にかかわらず、意見やアイデアは自由に交わされる風通しの良さも社風の1つです。自分ですべきことを考えて行動に移せる人、いろんなことに挑戦してみたい人が活躍できる職場だと思います。
岸田弘夢 鳥山牧場
2021年入社
肥育部門 肥育担当

海外で高評価される赤城牛の品質を、守り育てる仕事です。

大学では、鶏の研究を通して飼養の楽しさを経験しました。もちろん大変なこともありましたが、卒業後は飼育や畜産関連の仕事に関わりたいと考えていたところ、鳥山牧場の繁殖学の研究を活かした肉用牛生産の取り組みに興味を惹かれ、入社を志望しました。 私が所属しているのは、肥育部門です。肥育では、誕生から8ヵ月経った仔牛を、約2年かけて赤城和牛として大きな肉牛に育てる工程を担っています。主な仕事は飼養管理計画に沿った給餌、牛舎の清掃、出荷前の世話など。約800頭の肥育牛に対して、1日3人体制で業務にあたっています。 1日の仕事の流れは、まず牛が元気に過ごしているかを確認する見回りから始まります。午前中は餌の給餌、午後には2回目の見回りのあと、牛舎の清掃、角切りや出荷を控えている牛の泥落とし、水槽の清掃などを行いつつ、夕方の見回りをして1日が終わります。動物相手の仕事となるため、365日を通して牧場に休みはありません。私は、大学時代に鶏の飼養経験があるので、休日がカレンダー通りではないことに慣れていますが、家族や友人とのスケジュールが合わせずらい点については理解が必要だと思います。 やりがいを感じるときは、自分が手塩にかけて世話をしていた牛が、枝肉の品質検査で好成績をおさめた数値を見た時です。品質の高い肉牛にするためには、成長段階にあわせてビタミン量が異なる配合飼料の使い分けと量が重要です。成績が良いということは、健康でよく食べて育ったことの証です。2年間の苦労が報われる瞬間でもあり、飼育員冥利に尽きます。 鳥山牧場が働きやすい理由の1つは、出荷された牛の肉質のデータが、牧場にもフィードバックされる仕組みにあると思っています。必ず、飼育記録と照らし合わせて、餌の内容や量が適切だったかの検証を行います。牛の場合、妊娠期間を含めると1頭が食肉となるまでに、3年以上かかります。その結果が数値化されていることで、経験の浅い者にも評価がわかりやすく、目指す目標も立てやすいのではないでしょうか。 自分たちが大事に育てた赤城和牛が、ヨーロッパやアメリカなど海外の国々で高く評価されていることを誇らしく感じています。様々な経験をもっと積み重ねて、質の高い肉牛生産者の一員として、仲間とともにチャレンジしていきたいです。

鳥山畜産食品

小田橋翔太 鳥山畜産食品
2009年入社
加工部 食肉加工課
2019年 牛部分肉製造マイスター取得 2021年 FSSC22000主任審査員資格取得

食肉加工は、職人の世界。難しい技術だからこそ、やりがいがある。

私が所属している食肉加工課の業務内容は、牛肉の食肉加工です。骨を抜く脱骨、部位ごとの切り分けや余計な脂を取り除いたり、見栄えよく切り整える成形を、ホテルやレストラン、スーパーなど取引先の細かな要望にあわせて行っています。 会社に応募したきっかけは、牛の飼育に興味があり牧場で働きたいとの希望を持っていたからです。ところが、入社してすぐの社内ツアーで工場の脱骨作業を見たとき、その職人技の技術とスピードに圧倒され、自分もやってみたいと強く思いました。 最初は、骨組みが単純なバラと呼ばれる部位から包丁さばきを覚えていきます。先輩の指導を受けながら、少しづつ難しい部位の加工へとステップアップしていくので、自分の成長が確認しやすく、モチベーションにつながりました。牛は、1頭ごとに骨格、筋肉のつき方、大きさが異なります。品質安全を守ると同時に、ロスのないカッティングを瞬時に考えながら、包丁を入れる角度、深さを変えなくてはなりません。難しい作業ですが、同時に仕事の面白さだと感じています。 1頭すべての部位の加工ができるようになった入社8年目のころ、会社のバックアップを受けて「牛部分肉製造マイスター」の資格に挑戦しました。加工技術の実技試験には自信があったのですが、学科試験は、骨格や部位の基礎知識や原価計算・食肉に関する法律など、食肉に関する幅広い知識が求められます。暗記しなければならない内容も多く、休憩中も勉強にあてたりするなど苦労もしました。結果は、実技・学科を合わせた総合2位の成績で合格。培ってきた技術を評価されただけでなく、さまざまな知識を体系立て学んだことで、食の安全安心への意識を強く持つようになりました。 今、取り組んでいることは、加工現場における食品安全マネジメントの強化です。2021年の年末には、食品安全管理のプロフェッショナルの証といわれているFSSC22000主任審査員の資格を取得しました。国際的な品質管理の規格FSSC22000を実践することで、効果的な食品安全の仕組みづくりと、より確実な安全管理につなげられると考えたからです。 もちろん、チームや会社の協力はかかせません。意識の共有を図りつつ、お客様のニーズにお応えできる商品づくりをめざして業務を極めていきたいです。
大島悠五 鳥山畜産食品
2021年入社
加工部 2次加工チーム

作業効率や生産性を意識して技術を磨き、確実なステップアップを目指したい。

大学では、べーコンやソーセージなど豚由来の食肉の食品製造に関わる研究を専攻。学生時代に肉牛との接点はなかったのですが、ずっと興味を持っていました。就職先は畜産系を希望していたのでいくつかの会社に巡り合いましたが、従来の格付けにこだわらず、オレイン酸の含有量でおいしさを評価するなど、新しい取り組みを行っている当社に興味を惹かれて志望しました。 所属している部署は加工部です。と畜されて枝肉となった牛肉を、お客様の要望に沿ったスペックで脱骨し、部位ごとに切り分けられた肉を、包丁を使ってさらに細かく解体するチームです。私は、主にモモ肉やバラ肉を担当しています。  仕事の覚え方はシンプルです。実践あるのみ。最初から包丁を持たされ、先輩の指示を受けながら作業を進めます。包丁の角度を間違えば、数万円する肉牛の価値を下げてしまうことになるので、最初はとても緊張しました。メモを取りたくても、異物混入のリスクを伴う手帳やペンを作業現場に持ち込むことはできません。休憩時間になると、真っ先にメモを取り、頭の中で何度も復習を繰り返すことで少しづつ習得していきました。どうしたら、もっと美しく手早く作業できるかを常に考えて作業する日々ですが、上手に仕上げられた時の達成感は大きいです。 職場の雰囲気は、気さくでフレンドリーです。最初は、熟練の技術を持った職人集団というイメージを持っていたため、上下関係に厳しく、堅苦しい雰囲気を覚悟していたのですが、すべてに不慣れな新人の私の作業を見守り、さりげないフォローや指導のなかで、のびのび働いています。 この仕事に向いているのは、1つのことに集中するのが得意な人だと思います。一見、同じ作業の繰り返しのように見えるかもしれませんが、同じ部位でもサイズや肉質・脂の量など、すべてが異なります。個体差を見極め、スピーディに作業を行うためには、必要不可欠な能力だと思います。 一人前になるには10年かかるといわれています。これから学ぶべきことはたくさんありますが、作業効率や生産性を意識して技術を磨き、確実なステップアップを目指していきたいと考えています。