赤身と脂肪のうまみを可視化する、
新しい“味のモノサシ”。
赤城牛・赤城和牛は、いずれの契約農家で育っても、私たちが掲げる一定レベル以上の品質であることを目指しています。そのためには、既存の歩留まりや肉質の等級だけに頼るのではなく、数字で可視化することで目指す味を実現しようと考えました。 新しい研究は、まず鳥山牧場で行います。取り組んだことは、“味のデータ化”でした。牛肉は、脂肪と赤身が持つ異なるうまみのバランスによって味わいが変わります。脂肪は、食肉脂質測定装置によるオレイン酸と不飽和脂肪酸含有量の測定から、赤身のうまみは、慶応大学の学内ベンチャー企業 AISSY(株)が開発した人工味覚センサーで測定した分析データを取得しました。2022年3月までに蓄積されたデータは約4,000頭分にのぼります。これらのデータは、おいしさを示すモノサシであると同時に、肉牛生産の最強の指南書でもありました。 鳥山牧場では、過去20年分のすべての牛の個体情報を詳細に記録した生産カルテデータを保有しています。2つのデータを照らし合わせることで、飼養管理をはじめとする飼育全体の検証を行い、改善を図る。その繰り返しで生産技術は磨かれ、一定レベルを超えた質の高い肉牛生産を可能にする鳥山メソッドが確立しました。これらの知見は、生産組織メンバーの共有財産として、各生産現場で活用されています。